○膝に水がたまる、膝のお皿の痛みの正体・解決方法
当院には膝の痛みが長引き、なかなか良くならない患者さんがご来院されます。
そういったご相談の中でも多いのが「膝の皿の痛みです」
ただ、膝の皿の痛みといっても様々な組織が関係しているため、単純に膝関節周辺の筋肉をゆるめたり、運動すれば改善するというわけではありません
治療方法や対応を間違えると、炎症が起きて水がたまってしまうこともあります。
膝の皿の動きが悪くなり痛みが強くなると、日常生活に影響が出ることがあります。
例えば、以下のような動作が制限される可能性があります。
– 歩 行
膝の皿の動きが悪いと、膝関節に負担がかかり、痛みや炎症を引き起こすことがあります。 その結果、歩行時に膝を曲げ伸ばしすることが困難になります。 歩幅や歩速が低下したり、歩行器具を必要としたりすることもあります
– 階段の昇降
階段の昇降は、平地で歩くよりも膝関節にかかる負荷が大きいです。 膝の皿の動きが悪いと、階段を上り下りする際に膝に強い痛みを感じることがあり、膝関節の可動域が制限されると、階段の段差に足をかけることができなくなることもあります
– 腰掛けや立ち上がり
腰掛けや立ち上がりは、膝関節を大きく曲げ伸ばしする必要がある動作です。 膝の皿の動きが悪いと、腰掛けや立ち上がり時に膝に圧迫感や痛みを感じることがあります。
膝の皿が痛くなる原因とは?
これからお伝えする3つの病気では、膝の皿周辺の組織に炎症や損傷が生じて神経に刺激を与えることで痛みが出ます。
また水分や血液が組織内に溜まることで圧力がかかり、痛みを増幅させます。
さらに、以下の症状に、関わる重要な筋肉があります。
– 大腿四頭筋付着部炎:
膝の皿と大ももの筋肉の付着部に裂け目と炎症が起こる病気です。ジャンプや階段の上り下りなど、膝をよく使うスポーツや動作が原因で発症します。
太ももの筋肉(大腿四頭筋)と膝の皿が直接つながっているため、筋肉の使い過ぎや柔軟性の低下によって付着部に負担がかかります¹
– 変形性膝関節症
膝関節の軟骨がすり減り、骨同士がぶつかりやすくなる病気です。加齢や肥満、ケガなどが原因で発症します。
太ももの筋肉(大腿四頭筋)は膝関節を安定させる役割を果たしていますが、筋力が低下すると関節軟骨に余計な負荷がかかります
膝蓋腱炎
膝の皿とふくらはぎの筋肉をつなぐ膝蓋腱に炎症が起こる病気です。これらの症状に関係する筋肉は
太ももの筋肉(大腿四頭筋)とふくらはぎの筋肉(ハムストリングス)はそれぞれ膝を伸ばす・曲げる動作に関与していますが、バランスが崩れると膝蓋腱にストレスがかかります。
このように膝の皿の痛みの原因は主に大腿四頭筋の影響を受けています。その大腿四頭筋と一緒に膝の皿、膝関節の動きをなめらかにしている組織が膝蓋上嚢という組織になります。
膝蓋上嚢とは
膝蓋上嚢とは大腿四頭筋の深部に幅広く広がっている関節液で潤っている袋滑液包)のことをいいます。
膝蓋上嚢と大腿四頭筋は、一緒に動くことで膝の皿を支えています。
しかし、
大腿四頭筋が緊張すると、膝蓋上嚢に引っ張られて伸びすぎたり、癒着したりすることがあります。
これによって、膝の皿が動かなくなったり、滑液が減って痛みが起きたり膝関節が曲がらなくなったりします。
それが炎症や疼痛を起こす引き金となり、膝に水がたまったり軟骨をすり減らす原因になります。
膝に水が溜まった時の対処法
あくまでも対処法ですが、膝の皿の痛みや膝に水が溜まった時に有効なセルフケアになります。
これでも痛みが治らない・・・
上記のケアでも膝皿の痛みが変わらなかったり、膝の水が引かない場合は
当院の「リンパケア整体」「骨盤矯正」「歩行機能矯正運動」が膝蓋上嚢の炎症に対して効果的です。
リンパケア整体
・リンパ液の流れを促進し、滑液包内の炎症物質や余分な水分を排出することで、腫れや痛みを和らげます
・リンパ液の流れを改善することで、滑液包や周囲の組織に栄養や酸素を供給し、組織の修復や再生を促進します
・滑液包や周囲の組織の柔軟性や可動性を高めることで、癒着や拘縮を予防し、可動域を向上させます
骨盤矯正
長時間座って仕事をしている人は、骨盤が前傾したりすることで、お尻の筋肉が使われなくなり股関節が硬くなります。
この状態で椅子から立ち上がり、歩き出すと膝関節に負担がかかります。これが関節内で炎症を引き起こし膝の皿の痛みにつながります。
骨盤矯正で骨盤と脚の位置や角度整えると膝関節にかかる負担を減らすことができます。これにより、膝蓋上嚢の炎症の予防、膝の皿の動きを改善する事が可能になります。
さらに、骨盤や下肢の筋肉、靭帯のバランスや柔軟性を高めることが可能になり、膝関節にかかる衝撃や摩擦を分散させたり吸収させることが可能になります。
歩行機能矯正
歩幅が大きすぎたり、足首や股関節の可動域が不足していたり、姿勢が悪いと、膝関節に過度な圧力がかかります²。
当院では以下の点に注意しながら歩き方を見直します。
歩幅は適切か?
歩幅は広ければ良いというわけではありません。
背骨や股関節、足首の柔軟性がどれくらいあるか?を考慮して、現状より広いほうがいいか?狭い方がいいか?しっかり見極めます。
上半身がどちらかに捻れてないか?
正しい歩行は上半身の動きも重要です。
関節に負担をかける歩き方は、左右どちらかの腕だけ大きく振られていたり、動いていなかったりします。上半身の動きと歩行リズム、脚の振り出しなどのカラダの偏りを修正して膝への、負担を解消します。
足のつきかた、重心が前後していないか?
足裏全体で地面をしっかりと感じるように足の指に力を入れて歩いてるかたもいらっしゃいます。この歩き方を継続すると足首が硬くなり、足裏やふくらはぎ表層の筋肉に力がはいり過ぎて浮腫みや脚が攣るといった症状が起きやすくなります。
足指ではなく、足首がタイミングよく動き、膝への衝撃が和らぐように細かく関節の動きを見直します。
さらに期待できる!歩き方を見直すメリット
歩行機能を矯正させることは「膝蓋上嚢の炎症の改善」だけではありません。
以下のような効果も期待できます。
– 身体全体の血行が良くなり、免疫力や代謝が向上する
– 筋肉や骨密度が増加し、骨粗しょう症や sarcopenia(サルコペニア)などの予防になる
– 姿勢が良くなり、肩こりや腰痛などの改善につながる
– 歩く速度や距離が増えることで、心肺機能や運動耐久力が向上する
以上のように、「歩行機能矯正運動」により「歩き方を見直す」ことは、「膝蓋上嚢の炎症」に対して有効な対処法であり、さまざまなメリットがあります。
もし、膝の皿の痛み、膝の水が定期的に溜まってしまう状態が続いて、歩き方に不安がある場合は早めに適切な処置、根本的な治療を始めることをオスススメします!