「気をつけて真っ直ぐにするようにしてるんですが、
でもこれ変形してるから、これ以上はどうしようもないですよね」
足の親指を見せながら、そうおっしゃいました。
膝の痛みと、親指の変形。ご本人は、別々の悩みとして抱えていらっしゃいました。
膝は、ねじれに強くありません
まず歩いていただきました。
一歩ごとに、左の膝が内側へ入っていきます。
膝は、曲げ伸ばしには強い関節です。
ただ、ねじれには強くありません。
ドアの蝶番を思い浮かべてください。
まっすぐ開け閉めする分には、何年ももちます。
でも、開けながら横にひねる動きを毎日くり返したら、どうなるでしょうか。
膝が内へ入ると、関節の内側は引き伸ばされ、外側は押しつけられます。
まっすぐ曲げ伸ばししているときには起きない、偏った力です。
歩くとき、膝には体重の2〜3倍の力がかかるとされています。
その力を、ねじれた状態で受け続ける。
1日5,000歩なら、5,000回です。
歩いた分だけ、負担が積み重なる。
この方の膝は、そういう仕組みになっていました。
靴を変えても、指を広げても戻ってしまう理由
膝が内へ入ると、足首の内側が倒れ込みます。
足の内側のアーチが落ち、親指の付け根が外へ押し出される方向に力がかかります。
ここからが、大事なところです。
親指が外を向くと、地面を押す力が弱くなります。
すると体重はさらに内側へ逃げ、膝はもっと内に入ります。
負担が集まる通り道
本来の通り道
- 膝が内へ入る
- 足首の内側が倒れ、アーチが落ちる
- 親指の付け根が外へ押される
- 親指で地面を押せず、体重がさらに内側へ逃げる
↻ そして、1に戻ります
輪になっています。
靴やインソールで楽になる方はいらっしゃいます。
指を広げるストレッチで、一時的にすっきりする方もいます。
ただ、この輪のどこか一か所だけを変えても、歩けばまた元の形に戻っていきます。
これまで色々試したけれど変わらなかった、という方が多いのは、ここだと私は考えています。
膝だけを見ても、足だけを見ても、この輪は残ります。
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なお、外反母趾の成り立ちには遺伝的な要素や靴の影響など複数の要因があるとされており、歩き方だけで決まるものではありません。
ただ、この方の場合はここが大きいと、私は見ました。
強い腫れ・熱感・夜間も続く痛み・しびれがある場合は、まず整形外科などの医療機関で状態を確認していただくことをおすすめします。本記事は受診の代わりになるものではありません。
「動かしてなかった」
次に、足の指を動かしてもらいました。
グーを作るように、ぎゅっと縮める。よくある動かし方です。
でも多くの方が、見えている指の分だけを曲げています。
実際の骨は、もっと奥まで続いています。
足の甲の中を通って、足の真ん中あたりまで。
手でいえば、手のひらの中にある骨にあたる部分です。
ここまでを「指」だと思って縮めてみてください。
そう伝えて動かしてもらったとき、この方が言いました。
「動かしてなかった」
同・施術中のひとこと今は、こう話してくださっています
横から(上:前/下:後)
上から(上:前/下:後)
「今はここも全然痛くない。歩いても何しても痛くない」
「いっぱい歩くとちょっと痛くなるけど、長引くようなこともなく」
同・経過確認のときすべての痛みがなくなったわけではありません。
ご本人も「たくさん歩けば少し出る」と話しています。
それでも、普段の生活で困らなくなった。
私はそこを目指しています。
施術による変化や経過には個人差があります。同じ方法がどなたにも当てはまるものではありません。
当院でしたこと
- 歩いていただき、体重がどこを通っているかを確認しました
- 痛い膝ではなく、土台である足元のほうを整えました
- ご自宅で足の指を動かしていただきました
この3つを、くり返しただけです。
施術で足元の形を変えても、歩き方が元のままなら、また同じ輪に戻ります。
だから、ご自宅での運動とセットにしています。
通院だけに頼る形にはしていません。
ご自宅でできること
まず、鏡の前で楽に立ってみてください
- 力を抜いているのに、足の指が軽く曲がっていませんか
- グーを作ると、第一関節だけが曲がっていませんか
- 靴を変えても、親指の付け根の当たりが変わりませんか
当てはまるようでしたら、この動かし方を試してみてください。
- 椅子に座り、足裏を床につけます
- 足の甲の真ん中あたりに、軽く手を添えます
- そこまでが指だと思って、ゆっくり縮めます
- 5秒かけて縮め、5秒かけて戻します
- 片足5回から。慣れてきたら少しずつ増やします
回数より、どこから動かしているかのほうが大切です。
手を添えておくと、どこが動いているか分かりやすくなります。
避けたほうがよいこと
- 指のあいだを強く広げ続けること
- 痛みが出るまで縮めること
- 足の指だけを鍛えようとすること
足の指に負担のかからない立ち方と歩き方ができていれば、指そのものを特別に鍛える必要はないと考えています。
力が入りっぱなしの状態が続くと、かえって緊張が強くなることもあります。
よくあるご質問
- 変形してしまった指は、もう元に戻らないのでしょうか
- 骨の形そのものが大きく変わっている場合、形を元どおりにすることは難しいと考えています。当院で目指しているのは形を戻すことではなく、負担のかかり方を変えることです。実際に「痛みが気にならなくなった」「指が動かしやすくなった」とおっしゃる方はいらっしゃいます。
- インソールや靴を変えれば済みますか
- 合う靴やインソールで楽になる方はいらっしゃいます。ただ、体の使い方が変わらないままだと、同じところに負担が戻ってくることがあります。道具と使い方の両面から見ていくのがよいと考えています。
- 手術を勧められていますが、その前にできることはありますか
- 手術の判断は、検査結果をもとに医師が行うものです。当院からその判断について申し上げることはできません。そのうえで、歩き方や体の使い方を見直すことで日常の負担が変わる方はいらっしゃいます。主治医の先生に相談されたうえでご来院いただくのが安心です。
膝の痛みも、足の指の変形も。
「年齢だから」で終わらせる前に、
今の体の使い方を一度確認してみませんか。
もちづき整骨院
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